母子保健奨励賞表彰式に参加しました
毎日寒くなりました。確実に冬になってきましたね。インフルエンザも本格的に流行期に入ったようです。お気を付けください。
先月末ですが、東京でありました母子保健奨励賞の表彰式に参加してきました。
式に先立ち、赤坂御用地(東京都港区)の秋篠宮邸で秋篠宮妃紀子さまにもご接見させていただき、医ケア児についてもお話しさせていただきました。
表彰式では、受賞者代表として、以下所感を述べさせていただきました。
「この度は栄誉ある母子保健奨励賞を賜り、身に余る光栄に存じます。今回の受賞は、職員の皆様、多くの関係機関の皆様、また患者様、そのご家族の方々のご協力、ご支援があってのことになります。皆様方へ深く感謝申し上げます。
日本は先進的な医療の下、亡くなる子どもが減った半面、障害を残し、医療的なサポートを必要とするこども(医療的ケア児)が全国でも2万人を超えています。本来医療的ケア児は高度な医療がもたらした、恩恵の象徴です。しかし医療的ケアには専門的な技術が求められ、家族は睡眠時間を削り、自身の余暇を楽しむことも出来ず、日夜を問わず子育てよりもケアに追われています。私は救われた命からそのような境遇に陥る家族を小児科医として目の当たりにしてきました。
家族の過度な負担を分担し、外出もままならない子どもたちに社会との接点を作る場所となる日中のショートステイ施設としてH29年5月医療型特定短期入所施設るるるを開設するとともに、らららこどもクリニックを開院し、訪問診療やオンライン診療で受診が困難な医ケア児者の診療を行ってきました。また鹿児島小児在宅ケア・人工呼吸療法研究会世話人代表、日本小児神経学会災害時小児呼吸器地域ネットワーク鹿児島県代表として、小児在宅医療に関わる医療者や福祉関係者、また教職員・行政の方とも顔の見える関係性を構築するとともに、県内の在宅人工呼吸器装着児を把握し、災害時のネットワークづくりを進めてきました。ただ医療的ケア児者には、登校をめぐる教育上の問題や、外出支援の不足、成人科への移行問題、レスパイト施設の不足、災害時対策などまだまだ多くの課題があり道半ばの状況です。
「生んでくれてありがとう、生まれてきてくれてありがとう」は私たち医療法人の理念です。誰もがそのように感じられる社会の実現を目標に、子どもたちの支援を通して引き続き尽力して参ります。」
このような機会をいただき、大変ありがとうございました。